強迫性障害などの精神疾患と記憶力

f:id:kyohakusei-naota:20190414135048p:plain
今回は強迫性障害うつ病などの精神疾患と記憶力との関係性を考えていきたいと思います。


⚫短期記憶の低下
強迫性障害うつ病などの多くの精神疾患では、記憶力が低下することが知られています。記憶力の中でも特に短期記憶(作業記憶)が低下します。
短期記憶(作業記憶)は一時的に物事を記憶することを言います。例えば、文章を読むときに前に書かれていた内容を一時的に覚えておくときに使ったり、電話番号を一度みてから電話をかけるときなどに使われます。


精神疾患患者における短期記憶力の研究
ある実験では、統合失調症うつ病強迫性障害自閉症の4つの精神疾患患者群において、短期記憶力を予測する実験を行いました。その結果、統合失調症うつ病強迫性障害の順で記憶力の低下が大きく、自閉症では健常者とほとんど記憶力に差がないという結果になりました。この実験により、自閉症など一部の精神疾患を除き、精神疾患患者の短期記憶力の低下が認められるということになります。


精神疾患寛解した後の記憶力
多くの精神疾患では、精神疾患を罹患している間は記憶力の低下が認められるという話しでしたが、寛解した後は記憶力は回復するのか、しないのかというところが問題になります。結論から言うと、回復すると思います。研究機関の実験データは見つかりませんでしたので、個人的な体験談を基にした話にはなりますが、自分自身は強迫性障害統合失調症を患っていました。今はどちらも寛解しており、日常生活では特に記憶力に問題を感じる場面はなく、学生時代に勉強していた計算や事柄をしっかりと思い出すことができます。罹患している間は確かに記憶力の低下を感じており、自分でしたことを思い出せなかったりと日常生活で不便を感じていました。
と言う訳で、あくまで個人的な体験談になりましたが、精神疾患寛解した後は記憶力は罹患前と同じくらいのレベルまで回復すると思います。